汗疹(あせも)とは?
汗疹(あせも)とは?
汗腺(あせも)は、暑くて汗をたくさんかいた後に、汗を出す通り道(汗管)が詰まり、汗が肌の中にたまってしまい、かゆみや赤みが出る病気です。
特に夏の暑い時期に多く、冬でも暖房などで起こることがあります。
あかちゃんは汗腺の密度が高く代謝も高いので、一度にたくさん汗をかきます。
ひじやひざ、寝具やベビーカーのクッションで蒸れやすい首筋や背中側にもよく見られます。
子供は、お外で活発に動くためよく汗をかきます。
そのため、冷房の普及で昔よりは減りましたが、赤ちゃんや子どもはよく見られる肌トラブルです。
汗疹の種類
汗疹は、汗管が詰まる場所によって以下の3種類に分けられます。
水晶様汗疹(すいしょうようかんしん)
- 肌の表面近くで汗がたまります。
- 小さな透明の水ぶくれができ、かゆみや痛みはほとんどありません。
- 数日で自然に治ります。
紅色汗疹(こうしょくかんしん)
- 汗が皮膚の中に漏れ出して炎症を起こします。
- 赤いぶつぶつや水ぶくれができ、かゆみを伴います。
- 放置すると湿疹が広がることがあるので注意が必要です。
汗疹の原因
- 暑い環境: 高温多湿の場所で汗をたくさんかく。
- 汗の詰まり: 汗管が詰まり、汗が外に出られなくなる。
- 摩擦: 肌をこする衣類やタオルが原因になることも。
- 細菌: 細菌が汗管をふさいで悪化させる場合があります。
汗疹を防ぐ方法
肌を清潔に保つ
- 汗をかいたらシャワーで洗い流しましょう。
- 手首や肘、首などの汗がたまりやすい部分も拭き取ると効果的です。
涼しい環境を作る
- 部屋の温度を24〜25℃、湿度を50〜60%に保ちます。
- 通気性の良い服を着せましょう。
保湿する
- 入浴後には軽いローションタイプの保湿剤を使って肌を守ります。
衣類を調整する
- 汗を吸収しやすいコットン素材や通気性の良い服を選びます。
- 濡れた服はすぐに着替えましょう。
症状がひどい場合の対処法
炎症が強いとき
- 軽いかゆみや赤みに対しては、カラミンローションなどを使います。
- 湿疹が広がった場合はステロイド外用薬や抗菌薬で治療します。
感染が疑われるとき
- 膿が出たり赤みが広がる場合は細菌など感染症が合併していることもあり、早めの治療が必要です。
専門医に受診して相談しましょう。
汗の役割と注意点
汗は体温を下げたり、肌を潤したりする大切な役割があります。
ただし、汗をかいたまま放置すると肌がふやけ、細菌やアレルゲンが原因で肌トラブルを引き起こすことがあります。
汗をかいたらすぐに拭き取りましょう。
まとめ
汗疹は多くの赤ちゃんや子どもが経験する肌のトラブルですが、適切なケアで予防や改善ができます。汗をかいたら清潔にし、涼しい環境を保つことが大切です。症状がひどくなる場合は、早めに皮膚科を受診しましょう。
参考文献
- 日野治子. 汗疹の基礎と治療. 皮膚病診療. 2014.
- 室田浩之. 小児科診療における汗疹管理. 小児科診療. 2024.
- 横関博雄. 汗疹の発生メカニズムと治療. 小児内科. 2022.
- 室田浩之. 子どもの汗対策とあせものケア. チャイルドヘルス. 2020.
- 清水宏. あたらしい皮膚科 第3版. 2018.