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小児急性発疹症

「急に、高熱・倦怠感などの全身症状とともに全身に発疹が出現する感染症」を急性発疹症といいます。
 子供で見られる急性発疹症の最も多い原因はウイルスですので、ウイルスによる疾患を中心に紹介します。

熱とともにあかい斑点や丘疹が出る疾患

突発性発疹

HHV-6というヘルペスウイルス感染によって発症します。
突然の高熱(38〜40℃)が数日続き、熱が下がった後に全身に赤いブツブツが出ます。
発疹は小さな赤い皮疹でお腹や胸から、顔や、手足へと、全身に拡大した後、数日で自然にきれいになくなります。かゆみはありません。
お子さんも熱のわりに元気ですが時に熱性けいれんを合併することがあります。

2~4日で自然になくなりますで治療の必要はありません。

はしか(麻疹)

はしかは、麻疹ウイルス感染によって発症します。
非常に感染力が強いですが、ワクチン接種によって95%予防が可能です。
1歳時と小学校入学前にMRワクチン接種を定期接種するため、1歳以降はほとんど見られません。

かぜ症状と発熱などの初期症状が3日ほど続き、いったん熱が下がった後、再度の発熱とともに全身に広がる赤いブツブツ(発疹)が現れます。
発疹は数日間続き、最終的にかさぶたになり自然に回復します。
皮疹は特に治療の必要はありません。

三日ばしか(風疹)

風疹は、風疹ウイルス感染によって1~2週間の潜伏期の後に発症します。
麻疹と同じく、1歳時と小学校入学前にMRワクチン接種を定期接種するため、1歳以降はほとんど見られません。
ただ、妊婦が感染すると胎児に影響を及ぼす可能性があるため注意が必要です。

軽度の発熱と同時に、顔から始まり全身に広がる小さな赤いブツブツ(発疹)が現れます。発疹は数日で消失します。
風疹もワクチン接種によって予防が可能です。

りんご病(伝染性紅斑)

伝染性紅斑は、パルボウイルスB19リンクによって引き起こされる感染症です。
軽いかぜ症状の後、顔面では蝶形紅斑・平手打ち紅斑などと形容される「赤いほっぺ(りんごほっぺ)」になり、そのあとに手足にレース状の皮疹があらわれます。

1週間で自然に治りますが、日光や刺激での再燃が1~2ヶ月ほど診られることがあります。
通常軽症で、特に治療は必要ありませんが、かゆみなどに対して対症療法を行うこともあります。

皮疹が出たときには既に移る力が弱まっていますので特別な感染対策は必要ありません。
しかし妊婦さんの感染では流産の危険がありますので感染しないように注意しましょう。

水ぶくれ(水疱)が出る疾患

水痘は、水痘・帯状疱疹ウイルス(VZV)や単純ヘルペス感染(HSV)による感染が有名ですが手足口病も水疱がみられます。
ウイルス感染ではありませんが、膿痂疹(いわゆる、とびひ)、特に黄色ブドウ球菌による場合は水疱が形成されますので、注意が必要です。

水ぼうそう(水痘)

水ぼうそうは、水痘ウイルス感染によって発症します。
空気感染するため非常に感染力が強く、以前は3~5歳に保育園での流行が多い病気でしたが、最近は1歳未満での発症が増えています。
幼児期にかかると小児期に帯状疱疹を発症しやすいと言われています。
ワクチン接種による予防が可能で、2014年から1~3歳時の定期接種がはじまり、子供の発症が大きく減っています。

発熱を伴うことが多いですが、幼児は前駆症状なく皮疹が出る場合もあります。
皮疹は、強いかゆみがあり、全身に広がります。
最初は赤い斑点から始まりますが、数日内に水疱に変わります。約1~2週間でかさぶたとなり治ります。

発症した場合、抗ウイルス薬の内服治療や外用を行います。

手足口病

エンテロウィルス感染によって発症し、夏に多く乳児もしばしば発症します。
感染経路としては経口接種と飛沫感染が多く,皮疹が治った後も、2~4週間も便にウイルスが排出されるため、
糞便の始末、手洗いの励行など日常生活の注意指導が必要です。

熱を伴うこともありますが軽度で、口の中や手足に痛みを伴う水ぶくれ状の発疹が現れます。
皮疹は数日で自然に治り治療は不要ですが、痛みで食事をとりたがらないことがあり脱水症状がある場合は点滴が必要になることもあります。

エンテロウイルスは、夏風邪や、冬の下痢症などを起こす場合もあり、その際は特徴のないいろいろな皮疹を伴うこともあります。
ただ手足口病ほどの痛みはなく自然に治るため皮疹の治療は不要です。

 

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