乳児湿疹とは?
乳児湿疹とは?
乳児湿疹は、生後2週間頃から1歳頃までの赤ちゃんにできる皮膚炎のことです。
また、乳児湿疹には、新生児ざ瘡や脂漏性皮膚炎、アトピー性皮膚炎の初期段階も含まれます。
ほとんどの場合、乳児湿疹は適切なスキンケアで自然に治ります。しかし、湿疹がひどくなる場合や長引く場合には、専門医の診断を受けることが必要です。
乳児湿疹の特徴
いつできる?
生後2週間から数か月の間に発症する皮膚炎です。
どこにできる?
頭皮、眉毛、耳の周り、頬など。
どんな症状?
赤み、かさぶた、小さなブツブツ。
アトピー性皮膚炎との違い
乳児湿疹とアトピー性皮膚炎は症状が似ていますが、次のポイントで区別できます:
- 乳児湿疹は一時的で、軽い場合が多い。
- アトピー性皮膚炎はかゆみを伴い、2か月以上続く慢性の症状が特徴です。
乳児湿疹の原因
乳児湿疹の主な原因には以下があります:
- 皮脂の多さ: 赤ちゃんは母親のホルモンの影響で皮脂が多く分泌されます。
- 外部からの刺激: 衣類や洗剤、汗が肌を刺激することがあります。
- 乾燥: 赤ちゃんの肌は薄く、水分が蒸発しやすいため乾燥しやすいです。
乳児湿疹の治療と予防
(赤ちゃんのスキンケアも参照して下さい)
乳児湿疹は、適切なスキンケアを行うことで自然に改善します。
スキンケアの基本は、肌を清潔に保つことと、保湿です。
肌を優しく洗う
ベビーソープを泡立てて、優しく洗います。
ゴシゴシこすらず、しっかりとすすぎます。
保湿する
入浴後すぐにベビーローションやクリームを塗ります。
肌をこすらず、そっとなじませましょう。
皮膚のまわりの環境を整える
部屋の湿度を50〜60%に保ちましょう。
赤ちゃんの肌に触れる衣類は柔らかい素材のものを選びます。
症状がひどい場合の対応
赤みやかさぶたが広がる場合は、医師の診察を受けましょう。
必要に応じて、弱めのステロイド外用薬や抗炎症剤を使うことがあります。
注意点
- 市販薬の使用は医師に相談:自己判断で市販薬を使うと症状が悪化することがあります。
- 無理にかさぶたを取らない:皮膚を傷つける恐れがあります。
- かゆみが強い場合は医師へ相談:赤ちゃんが眠れないなどの症状があれば早めに受診してください。
まとめ
乳児湿疹は多くの赤ちゃんに見られる一般的な肌トラブルですが、適切なケアで改善できます。
赤ちゃんの肌はデリケートなので、スキンケアをしっかり行いましょう。
もし症状が長引いたり悪化した場合は、医師に相談することをおすすめします。
当クリニックでは、赤ちゃんの肌トラブルに関する相談を随時受け付けています。お気軽にご相談ください!
参考文献
- 清水宏. あたらしい皮膚科学 第三版. 2018.
- 佐々木りか子. 乳児の湿疹・皮膚炎. Derma. 2004
- 佐々木りか子. 乳児湿疹とアトピー性皮膚炎の見分け方と外用療法のポイント. 小児の皮膚診療. 2023.
- 馬場直子. 新生児~乳児期に診られる皮膚疾患. 皮膚病診療. 2019.
- 長尾みづほ. アトピーですか?乳児湿疹ですか?. チャイルドヘルス. 2020.